五月に

 

    空の鯉 金子みすゞ

  お池の鯉よ、なぜ跳ねる。
  あの青空を泳いでる、
  大きな鯉になりたいか。

  大きな鯉は、今日ばかり、
  明日はおろして、しまわれる。
  はかない事をのぞむより、
  跳ねて、あがって、ふりかえれ。

  おまえの池の水底に、
  あれはお空のうろこ雲。
  おまえも雲の上をゆく、
  空の鯉だよ、しらないか。

 

 

再び 寺山修司の詩です
寺山修司の詩にしては、素直な若々しいうたです


 ―われに五月を― 寺山修司

 きらめく季節に
 たれがあの帆を歌ったか
 つかのまの僕に
 過ぎてゆく時よ

 二十才 僕は五月に誕生した
 僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる
 いまこそ時 僕は僕の季節の入口で
 はにかみながら鳥たちへ
 手をあげてみる


 二十才 僕は五月に誕生した

 

       *******おまけ

 

天寧寺の牡丹


「血系図」?知らない! https://yo3519.hatenadiary.com/entry/2022/03/25/215403