シネマ尾道「さらば わが愛/覇王別姫」

9月20日 シネマ尾道「さらば わが愛/覇王別姫
監督:チェン・カイコー 主演:レスリーチャン
京劇の虞姫を演じるレスリーチャンの頬を流れた涙の意味が知りたくて、
再映されるので、もう一度映画館で見てきました。


  あらすじ


演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、
京劇『覇王別姫』を軸に描いたチェン・カイコー監督作品。
身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆。
淫売の子といじめられる彼を弟のようにかばい、

辛い修行の中で常に強い助けとなる石頭。
やがて成長した二人は、それぞれ“程蝶衣”、“段小樓”と名を変え、
京劇界きってのスターとなっていた……。

 

虞姫役を演じる最初の頃の“程蝶衣”は「私は女として生まれ・・・」という台詞を
「私は男として生まれ・・・」と言ってしまっていたのが、
22年ぶりに再演する時、覇王がからかって「私は男として・・・」と言うのを遮って
「私は女として生まれ・・・」とかぶせて言う。
「男として」も「女として」も生きられなかった“程蝶衣”は

演じた虞姫のように覇王の剣を盗って自害する。
この初演からの「わが愛」をレスリーチャンは演じきっている。

   “程蝶衣”の印象的な台詞
戦後の裁判で、日本軍人の家に招かれて京劇を演じた事を責められて、

罪に問われた時、
「無理矢理家に連れ込まれた」と擁護の証言した大家に
「日本人は私に指一本触れなかった」と強く反論し、罪に服する。


文化大革命の悲惨さも描かれていたが、
窮地に陥っている習近平国家主席が自分の保身の為に

また文化大革命まがいの騒動を起こさないように祈る。

      ********おまけ

8月26日 松翠園で映画祭。

まず渡辺あやさんの脚本処女作の「ジョゼと虎と魚たち」を見る。その後トークイベントで渡辺あやさんと須藤蓮君が登場



レンレンは髪を独特な茶紫色に染て、2年前の無邪気な若者から

シャープな青年になっていました。26歳。 

この二年間で二つの映画を制作、10月には三作目が公開されます。


帰り際、レンレンは鋭い目付きで私を見た、二人は目を合わせる。
2年前のこと怒っているのかしら(背を向けたこと)

 

      ********おまけ

10月18日 シネマ尾道「ABYSS」を見てきました
監督:須藤蓮 共同脚本:須藤蓮+渡辺あや



2021年上映の「逆光」に先だち、

企画されコロナ禍で制作休止されていた須藤蓮監督処女作が完成 上映された。

才能溢れる渡辺あやから脚本には散々駄目ダシを出されて、

自尊心ズタズタに落ち込んだと言っていたレンレンは

2021年はまだ無邪気な若者でした。

ごめんなさい、もう林住期に差し掛かっている者には

「ABYSS」に描かれた今の青年の生きずらさと葛藤がイマイチ身に染みなかった。

青年レンレンの第三部作「初恋」が楽しみです。