シネマ尾道にて、若松孝二追悼特集上映

平成25年6月2日
今日はシネマ尾道には「レ・ミゼラブル」を見にいったのですが、「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」の上演とその後舞台挨拶があるとのこと。せっかく来たので、と言っても歩いて10分ぐらいの所ですが、若松孝二監督の名は知りませんでしたが見てみることにしました。じつに190分もかけて、連合赤軍が総括と称する悲痛なリンチで多くの同志を殺し、あさま山荘事件へと辿る道をじっくりと描いていました。3時間以上かけなかったら描けない世界でした。同時代の人間として、ああいう世界が同時進行で日本の土地の中で進行していたのが不思議です。

解説「ベトナム反戦運動公民権運動、ヒッピー文化やパリ5月革命など世界的な左翼全盛の時代に、日本でも反権力的な学生運動が盛り上がっていたころが舞台である。その学生運動の中でも最も純粋であったがゆえに、真剣に革命の実現を信じた連合赤軍の若者たち。彼らが何に突き動かされ、どのような葛藤を経てあさま山荘事件へと至っていったのか、そしてリンチ事件へと至ったのか。連合赤軍側の立場から、彼らの生き様を描こうとしている。」

映画「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」が3時間以上。その後井浦新さん(坂口弘役)と大西信満さん(坂東國男役)のトークがありました。質疑応答も活発で1時間以上かかり、充実した時間でした。が重いテーマで気分が落ち込んで、疲れてしまいました。その日は映画の後でお寺の落語会に行く予定にしていたのが、舞台挨拶が終了したのが、14時半すぎ(9時40分上映だったので5時間も総括に付き合ったのです)落語会には間にあいませんでした。せめて笑いで中和できたら、気分も落ち着いたのにね。

今、井浦新さんは大河ドラマの「平清盛」に出演とNHK『日曜美術』の司会にと活躍されていますが、以前はモデルでした。みんながARATAさんと呼ぶのはモデルの時の芸名なのですね。


若松監督はテレビドラマの助監督を経て昭和38年、当時ピンク映画と呼ばれた成人向け作品「甘い罠」で監督デビュー。ベルリン国際映画祭では、平成20年に「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」が最優秀アジア映画賞を受賞、22年には「キャタピラー」で主演した寺島しのぶさんが最優秀女優賞に輝いた。2012年10月12日タクシーにはねられて死亡。
6月8日〜21日、シネマ尾道にて、若松孝二追悼特集上映が始まる。