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火星がでています

ベランダに出れば南の空に火星がでています
すぐにわかる赤い星です
残念ながら感度の悪いカメラではとらえられません
  写っていますか?

   火星

写真では紹介できないので、火星をうたった詩を紹介しましょう
1924年の夏にも火星大接近がありました、高村光太郎
も見た可能性がありますが、詩の季節は冬でした
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火星が出てゐる。
要するにどうすればいいか、といふ問いは、
折角たどった思索の道を初にかへす。
要するにどうでもいいのか。
否、否、無限大に否。
待つがいい、さうして第一の力を以て、
そんな問に急ぐお前の弱さを滅ぼすがいい。
予約された結果を思ふのは卑しい。
正しい原因に生きる事、
それのみが浄い。
お前の心を更にゆすぶり返す為には、
もう一度頭を高くあげて、
この寝静まった暗い駒込台の真上に光る
あの大きな、まっかな星を見るがいい。


火星が出てゐる。

高村光太郎:詩人・彫刻家。光雲の子。東京生まれ。東京美術学校卒後、アメリカ・フランスに留学してロダンに傾倒。帰国後「スバル」同人、耽美的な詩風から理想主義に転じ、「道程」で生命感と倫理的意志のあふれた格調の高い口語自由詩を完成。ほかに「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」など。(1883〜1956)